大学生インターンが現地レポートをお届けします
大学生インターンが現地レポートをお届けします
SAPESI南アフリカでは現在、日本人大学生のインターンを受け入れています。実際にSAPESIが活動する学校を見学しましたので、彼女のレポートをお届けします。
1. 図書館、図書館車見学
図書館車に積まれる様々なジャンルの本が所蔵されているこの図書館は、ボーア戦争時に収容所として使用されていたという歴史があり、若き頃この戦争に参加した英国のチャーチルも捕虜として捕まっていたのです。ここから逃げ出し、英国に無事に帰還したことでチャーチルは名声を得たのです。
まず、図書館車に積む本が所蔵されている、プレトリアにあるEducation Libraryへ。
図書館の中には、ボーア戦争時の地図や、チャーチルの写真などが飾られていました。一室の床には捕虜たちが逃亡を図って掘った穴の後も!
奥の部屋には、幼稚園、小学校各学年向けの人形や教材などが保管されています。児童向けコーナーには、AfrikaansやZulu, TsongaにSepediなど、多くの言語で書かれた絵本が揃っていました。
その後外に移動し、現在も使用されている図書館車を見学。実際に中にも入らせていただきました。
この図書館車は、日本から寄贈されたもので、日本で使用された後に海を渡り、南アフリカまでやってきたものです。外装は、子供達に親しみを持ってもらいやすいようにイラストや、カラフルな色で飾り付けされています。
中にはジャンルごとに分かれた本棚が。本が落ちないようにアクリル板を設置するなど、現地スタッフさんの様々な工夫が垣間見えます。図書館車プロジェクトへの熱い想いが伝わってきました。
2. 会議見学
今回、Sapesiの新メンバーとして会議にも出席させていただきました。
会議では、他州を巡回する図書館車の状況確認やスポンサーへの対応、今度行われる高校生向けのスタディーツアーでどのように学生に活動を体験してもらうかなどを現地スタッフの方と話し合われていました。お話を聞いている中で、ヨハネスブルクのあるハウテン州だけでなくリンポポ州や、最南端のケープ各州でも連携をとりながら図書館車の活動が行なわれていることを知り、少人数で南アフリカ全土での活動を運営していらっしゃることに驚きました。
会議に参加させていただいたことで、Sapesiがどのように運営されているのかを間近で知ることができました。
3.南ア滞在中に感じたこと
南アフリカに滞在し、いつも実感するのは貧富の差です。日本では、ストリートチルドレンやホームレスの方を見かける機会は少ないですが、南アフリカにはソウェトやアレクサンドラなどのスラム街が高速のすぐ横に見られる、また道の真ん中に母親と座っている赤ちゃんがいる光景を日常的に見かけます。
一方で、あるエリアに行くと日本では考えられないような大きな家が並んでおり、日本ではあまり実感することのない貧富の差を毎回身にしみて感じます。このような中で、子供達に図書館車で本を届けることで多くの子供達を笑顔にするだけでなく、彼らの将来の可能性をも広げる力を持つSapesiの活動は、非常に大きな役割を果たしているのだと実感しました。